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設計室の多田です。
四国も梅雨入りし、本格的な雨のシーズンが始まりました。雨の中の原付通勤は嫌ですが、この梅雨もまた四季の一部として、楽しんでいければなと思います。
さて、今回ご紹介する本は光嶋裕介著『ぼくらの家。 9つの住宅、9つの物語』です。
あらすじ…建築家、独立10周年。内田樹氏の自宅兼道場≪凱風館≫で建築家としてデビューした著者は、それからどんな風に家をつくってきたのか。10年間でつくった8つの住宅と、未来の自邸をめぐる物語。
本書は、著者がこれまでに建てた家について、どんなふうに作ってきたのか、設計した建築家の想い、その家を建てた建築主の想いを客観的な独自の語りで説明しています。
この本を読んで、この著者は本当に建築が好きで真摯に向き合っていて、依頼者に喜んでもらえる家をつくっているのだろうなと感じました。
私も喜んでもらえる家づくりをしているつもりですが、この著者のように今まで仕事をしてきた家のことをしっかり自分の口で詳細に話せるかと言われても、話せません。
私は元々忘れっぽい性格ですが、仕事に対する気持ちの入り方が、著者程には育っていないのかもしれません。
本書の終わりに、「建築家は、医師や弁護士のように依頼者にとって人生の最悪なときに関わるのではなくて、依頼者にとっての人生のハレの舞台に関わるのであり、幸福のおすそ分けをしてもらっている気持ちになります」という風な文言が綴られています。
私も、依頼者の人生におけるハレの舞台に共に立たせてもらっていることに感謝しつつ、日々の仕事の糧にしていきたいなと思いました。
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