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設計室の多田です。
桜も咲き終わり、暑さが厳しくなっていますね。これも、地球温暖化の影響でしょうか? 4月からこの暑さでは、真夏となった時はどうなっているのでしょうね。
さて、今回ご紹介する本は、五十嵐太郎ほか著『窓から建築を考える』です。
あらすじ…窓から世界をのぞくと、建築の新しい領域が見えてくる。「窓」によって、日本と西洋の建築・技術・美術の歴史を横断的に描き出す。
窓と建築・技術・美術の変遷を書き出している本書、私が特に気になったのは建築と丸窓との関係性です。
本書では、丸窓のシンボル性と機能性、この二つの性質を軸として西洋建築と東洋建築、そして近代以降の建築における丸窓について考察されています。
私が丸窓として初めに思いつくのが宇宙船の丸窓、次に思いつくのが船舶の丸窓。どれも陸上建築ではありませんが、それはやはり、船舶や宇宙船は丸窓というイメージが強いからでしょうか。陸上建築における丸窓は、機能性というよりもシンボル性を持たせたものが多いように思います。
日本の建築では、矩形の窓が主流です。日本で丸窓が使われ始めたのは鎌倉時代における禅宗の伝来からです。このとき、「花頭窓」が日本でも設置されるようになります。これが、矩形ではない窓の誕生です。
日本で生まれた丸窓は、象徴性を持たせたものではなく意匠のアクセントとして花を添える程度のものが多かったようです。
この本を読んで感じたのは、日本の一般建築で丸窓は使いにくい、ということです。茶室でデザイン性を出すのに丸窓を使うことがありますが、従来の木造住宅で丸窓を使うのは機能性の面からしては、難しいのではないかと思いました。日本の建築では、丸型よりも矩形の方が断然使いやすいですし、機能性もあるなと思いました。
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